不動産に関わる岡山の市況
経済シンクタンクの岡山経済研究所(岡山市北区丸の内)は、4月28日、夏と冬の年2回実施している岡山県民消費アンケートの2月の結果をまとめた。
物価上昇に伴う家計の苦しさなどから生活に不満を持つ人の割合は6割超に上り、比較可能な2009年8月調査以降で最も多かった。
同研究所は「賃上げが物価上昇に追いついていないと感じる人の割合が高まっているのでは」とみている。
消費生活の実感を「かなり不満」「やや不満」と答えた“不満派”は61.1%で、昨年8月の前回調査(54.5%)
より6.6ポイント上昇した。「十分に満足」「ほぼ満足」の“満足派”は6.6ポイント低下の38.9%。
不満派が満足派を6回連続で上回り、その比率の差も拡大した。不満の理由(複数回答)は「収入が厳しく、欲しいものをなかなか購入・所有できない」「収入が厳しく、生活費のために消費を切り詰めている」が目立った。
半年前と比べ、収入が「増加した」と答えたのは1.1ポイント低下の15.1%。
「減少した」が0.1ポイント上昇の23.6%、「変わらない」は0.4ポイント上昇の57.4%だった。
一方、支出は「増加した」と回答したのが9.9ポイント上昇の56.64%で、56.8%だった23年2月調査に次ぐ高水準。「減少した」は3.3ポイント低下の7.1%、「変わらない」は5.5ポイント低下の32.3%だった。
支出増の理由(複数回答)は「物価の上昇により生活費が増加した」が88.1%で最も多く、続く「進学・出産等特別な支出が必要になった」(11.9%)や「収入が増加した」(6.7%)を大きく引き離した。
物価に対する意識も尋ねた。1年前に比べて「上昇した」と答えたのは88.2%で、前回調査から1.1ポイント上昇。収入が物価の上昇に「追いついていない」は3.9ポイント上昇の80.3%。
「追いついている」はわずか19.7%で、3.9ポイント低下した。
同研究所は「コメやエネルギーなど生活に欠かせない費目の負担感が強まり、所得が増えたとしても、それを実感できない実態がうかがえる」としている。調査は毎年2、8月に実施しており、今回は2月7、8日に20歳以上の県内在住者にインターネットで行った。有効回答数は551。
財務省岡山財務事務所は4月22日、1~4月の岡山県内の経済情勢を発表した。景気判断は「緩やかに回復しつつある」を7期連続で維持。個人消費や企業活動が持ち直し基調にあることを踏まえた。
個人消費は「緩やかに回復しつつある」との判断を7期連続で据え置いた。
物価高による節約志向は続いているものの「値上げを受け入れる客が増えている」(専門店)とし、百貨店やスーパーでは年始やバレンタインといった機会を捉えてぜいたくを楽しむ「メリハリ消費」の動きがみられた。
ドラッグストアでは厳しい寒さでカイロやハンドクリーム、風邪薬がよく売れた。
生産活動は「緩やかに持ち直しつつある」との判断を2期連続で維持した。
輸送用機械は、造船が環境対応に向けた買い替え需要で豊富な受注残を抱えており、自動車も堅調な生産が続く。電気機械はIT関連製品の在庫調整が世界的に進展し、自動車や家電に使われる高機能樹脂など化学も手堅い。鉄鋼は中国での需要低迷に加え、国内でも資材高騰や人手不足により建築・土木向けが弱く、横ばい。
雇用情勢は3期ぶりに上方修正した前回の「緩やかに改善しつつある」との判断を据え置き。
運輸や郵便、インバウンド(訪日客)需要が高い宿泊で求人が増えている。
住宅建設は貸家の減少で「前年を下回っている」との判断を2期連続で維持。
石油、化学製品などが増加している輸出は3期連続で「前年を上回っている」との判断を据え置いた。
同事務所は「雇用・所得環境の改善が、緩やかな回復を支えることが期待される」としつつ「米国の通商政策や物価上昇、消費者マインドの冷え込みが、景気の下押しリスクになっている」と分析。
トランプ米政権による一連の関税措置については「現段階では具体的な影響はみられない」としている。
中国財務局は22日に発表した中国地方の経済情勢で、「一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復しつつある」との総括判断を7期連続で据え置いた。
生産活動は、前回1月に引き下げた「横ばいの状況にある」の判断を据え置いた。
電気機械は電気自動車(EV)市場の減速で半導体の受注が伸び悩み、輸送機械は、船舶で原材料費高騰などにより新造船発注を様子見する動きがみられる。全体としては、上向きの動きをみせているという。
個人消費は「一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復しつつある」とし、7期連続で据え置いた。
スーパーは販売価格の上昇で売り上げが伸長。家電量販店は、気温が低かったことで暖房器具が好調だった。
雇用情勢は「緩やかに改善しつつある」を4期連続で据え置いた。
2024年度の設備投資は製造業、非製造業ともに前年度を上回る見込み。
企業収益は製造業、非製造業いずれも増益の見通し。
帝国データバンクが持つ全国148万社の情報を基に調査。個別の企業名は公開していない。
3月18日発表された2025年の公示地価で、岡山県内は全用途の平均変動率がプラス1.2%と前年より0.1ポイントアップし、3年連続で上昇した。交通、生活利便の良さや近年の再開発、マンション建設の活況で土地の
需要が高まっている岡山市中心部が全体をけん引した。
調査対象394地点のうち前年と比較可能な393地点を見ると、上昇は233地点(前年比10地点増)で、市町別では多い順に岡山市123▽倉敷市77▽総社市14と続いた。
下落は113地点(3地点減)で新見、備前、美作の3市では全地点でマイナスとなった。
横ばいは47地点(11地点減)。
平均変動率の用途別では、商業地がプラス2.1%(前年比0.3ポイントアップ)。
上昇率は「岡山市北区下石井2の3の8」が8.4%と前年を2.1ポイント上回り、初めてトップとなった。
同市の両備グループが2019年から再開発を進める「杜(もり)の街グレース」北側に位置し、一帯の土地需要が高まったとみられる。最高価格は「岡山市北区本町2の1」の1平方メートル当たり190万円(12万円増)で、首位は37年連続だった。
住宅地の平均変動率はプラス0.8%(増減なし)。上昇率は「岡山市北区番町1の9の6」の6.7%と前年より0.3ポイント上昇して初めて最高となり、商業地へのアクセスの良さや古くから名前を知られるブランド力を背景に人気を博したとみられる。最高価格は5年連続で「岡山市北区伊島町1の3の42」で、1平方メートル当たり20万円(前年比1万円増)だった。岡山県内の公示地価調査地点について、2025年は都市計画区域や土地取引が相当程度見込まれる区域のある14市7町の394地点を対象とした。
このうち前年からの継続は393、復活が1。用途別では住宅271、商業地108、工業地13、宅地見込み地2。
日銀広島支店は4月7日、3カ月ごとの中国地方の金融経済概況をまとめた。生産や個人消費をはじめ全体的に大きな変化がみられないことから、総括判断を5期連続で「緩やかな回復基調にある」とした。
生産は「横ばい圏内の動き」を維持した。電子部品・デバイスは人工知能(AI)向けの需要が増え、高水準で推移。自動車は横ばい圏内の動きで、認証不正問題後の挽回生産が進んでいる。化学は中国経済の回復鈍化などにより、弱めの動き。
個人消費は「緩やかな回復基調にある」を据え置いた。スーパー売上高は物価上昇の影響を受けつつも底堅く推移。家電販売は、スマートフォンやテレビの買い替え需要で、持ち直しの動きがみられている。
雇用・所得環境は「緩やかに改善している」を維持。公共投資は「高水準で推移」、設備投資は「増加している」、住宅投資は「弱めの動き」をそれぞれ据え置いた。
4月4日、信用調査会社の帝国データバンク岡山支店(岡山市北区下石井)によると、2024年に岡山県内に本社
機能を移した企業は16社で、県外への転出12社を上回り、2年ぶりの転入超過となった。
転入は兵庫県からが4社で最多。
続いて広島県と東京都が各3社、鳥取県が2社、大阪府、香川、埼玉、神奈川県が各1社だった。
転出先は大阪府が4社で最も多く、東京都が2社、広島、鳥取、兵庫、宮城、福岡、鹿児島県が各1社。
業種別で転入が多かったのは、サービス業の6社をはじめ、製造業の3社、卸売、小売業の各2社など。
転出は製造、サービス業の各3社など。売上高の規模別では、転入は1億円以上10億円未満が8社、転出は
1億円未満が6社とそれぞれ半数を占めた。 過去10年の累計では、転入141社、転出138社で、差し引き3社の転入超過だった。 同支店は「岡山は交通アクセスの良さが魅力となって転入が進んでいる。
ただ、成長段階のベンチャー企業が事業拡大を狙いに転出する傾向もあり、つなぎ止めが課題だ」とする。
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